ごあいさつ

福岡県耳鼻咽喉科専門医会(福耳会)は、福岡県内で耳鼻咽喉科・頭頸部外科の診療を行う、開業医と大学や市中病院などの勤務医の集まりです。

昭和10年頃に福岡市内の耳鼻咽喉科開業医数名が親睦、情報交換などを目的として会合を行い、これが後に福岡県内の耳鼻咽喉科を専門とする臨床医の集まりである耳鼻咽喉科専門医会(略称、福耳会)に発展してきたと言われています。

 

現在は福岡、北九州、筑後の3ブロックで構成され、開業医ばかりだけでなく、県内4大学(九州大学、久留米大学、産業医科大学、福岡大学)や主要な市中病院に所属されている医師のほぼ全員が参加し、会員総数は令和4年4月1日現在で409名となっています。

活動としては、それぞれのブロックや福岡県全体で、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の医療の質向上のための学会開催、医療安全のための講習会開催、小・中・高の学校医活動、啓蒙・広報のための耳の日イベントの開催などを積極的に行なっています。

 

このホームページはそうした福耳会の活動を皆さんに知ってもらうために制作しました。

下記にありますように、補聴器相談医制度や子どもの難聴施策に関しての情報も掲載していますので、是非ご活用ください。

 

令和4年8月 吉日

福耳会会長 村塚 幸穂


補聴器を購入する前に、

まず耳鼻咽喉科(補聴器相談医)に相談しましょう

補聴器を購入する前に、注意して頂きたいことがあります。

 

聞こえの状態は個人によって異なるので、耳鼻咽喉科(補聴器相談医)での評価が必要です。

補聴器は管理医療機器であり、購入前と購入後の補聴器調整や乾燥・清掃などのケアが必要です。

補聴器にはさまざまなタイプがあり、聞こえや使いやすさが自分に合った機器であるかどうか、しっかり確認して選ぶことが大切です。

 

しかし、残念ながら耳鼻咽喉科(補聴器相談医)に相談せずに補聴器販売店や通信販売や訪問販売で補聴器を直接購入したためのトラブルが、数多く報告されています。

 

販売店で補聴器購入を勧められたのに、単に耳垢が詰まっていただけだった例。

通信販売で購入した補聴器が合わないので返品しようとしたが、返品できない例。

不安をあおられたり十分な検討時間がないまま契約した例。

訪問販売で断り切れずに契約した例。

数年おきに何度も補聴器を購入させられた例。

 

国民生活センターも、聞こえが悪いと感じたら、まず耳鼻咽喉科(補聴器相談医)を受診しましょうとアドバイスしています。

(参考 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210225_1.html 

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、耳鼻咽喉科専門医からなる「補聴器相談医」という認定制度を設けています。「補聴器相談医」は補聴器に関する専門的知識と技能についての講習および実習を受けている場合に認定され、資格更新のために継続的な研修を受けています。「補聴器相談医」に相談することで得られるメリットは、

 

耳垢や中耳炎など難聴の原因を知り、補聴器以外の治療方法について相談できます。

身体障害者や労災などに該当する場合、補聴器購入に際して補助が受けられる場合があります。

補聴器購入の際は、補聴器についての技能を有した認定補聴器技能者や認定補聴器専門店を紹介してもらえます。

補聴器相談医が発行した「補聴器適合に関する診療情報提供書」を補聴器販売店に提出して補聴器を購入すると、補聴器購入費用が確定申告における医療費控除の対象になります。

 

このように補聴器を購入する前に補聴器相談医に相談することは、補聴器購入トラブルを未然に防ぐことにつながり、満足のいく補聴器を購入することにつながります。

補聴器を購入する前に、お近くの補聴器相談医にお気軽にご相談ください。



福岡県内の子どもの難聴施策

福岡県乳幼児聴覚支援センター

福岡県では、生まれつき耳がきこえていない可能性があるお子さんを円滑に療育に繋げるため、様々な関係機関が連携して支援を行っています。


軽度中等度難聴児への補聴器購入助成制度

少し聞こえにくい程度の軽度から中等度の難聴児は、多くの場合健聴児のように人の声に反応して喃語(なんご、赤ちゃんが言葉を覚える前に発する意味を伴わない声、なむ、ばぶばぶ、など)を発するため、従来は乳幼児期には発見されにくいものでしたが、近年では新生児聴覚スクリーニングの導入により早期発見されるようになりました。また生後にさまざまな要因で難聴を発症し、中には難聴が進行していくお子さんもおられます。

軽・中等度難聴児はある程度の音声言語の習得は可能ですが、入ってくる音声情報に制限があるため、言葉の発達の遅れやコミュニケーションの問題を引き起こす可能性があります。また正しい文法を習得出来にくかったり、単語の数が増えなかったり、文章が上手に作れなかったりなど、学習への影響が生じる場合があります。したがって軽・中等度難聴児も高度難聴児と同様に、早期に適切な補聴をおこなうことが必要ですが、軽・中等度難聴は身体障害者には該当しないため、保護者の経済的負担が大きくなります。

その負担軽減のため福岡県内の多くの自治体では補聴器購入費の助成制度を設けていますので、ご利用ください。